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所長からのご挨拶

寒地土木研究所所長

  寒地土木研究所は、積雪寒冷地の土木技術の研究開発を担う研究機関です。当研究所は、北海道開発行政を支える(河川・道路・港湾・農業・水産行政に関わる)土木技術の研究開発を担う基本的役割とともに、独立行政法人土木研究所のつくば中央研究所と連携・協力して我が国の良質な社会資本の効率的・効果的な整備のための研究開発の推進など、その役割として大変大きなものを担っています。

  寒地土木研究所は昭和12年に内務省北海道庁の土木部試験室として設置されたのに始まり、70年以上の歴史を持ち、その前身は北海道開発局の下部機関である開発土木研究所ですが、国の行財政改革の一貫として平成13年に独立行政法人化されて北海道開発土木研究所となり、平成18年には独立行政法人土木研究所と統合して独立行政法人土木研究所の1機関「寒地土木研究所」として現在に至っています。また、平成20年4月には、これまで北海道開発局で行われてきた技術開発業務が(独)土木研究所に移管されたことに伴い、寒地土木研究所に新たな組織を立ち上げ、土木技術の現場に一層密着した研究及び技術開発を進めるとともに、成果の広範な普及・指導に努めています。

  社会基盤整備は、国民の安全・安心・快適な生活と地域の自立・活性化のため各地域の特性を十分踏まえて対応することが今まで以上に求められています。このため、それを支える土木技術も地域特性に適切に対応したものが必要不可欠となっています。

  我が国の積雪寒冷地域は、グローバルな観点で見ると海象・気象・地勢の関係から、世界的にみて最も緯度の低い積雪寒冷地域となっています。このため、高緯度の諸外国に比べ降積雪量が多い、降雪頻度が高い、冬期間及び昼夜の気温の変化が激しく凍結融解の頻度が著しいなど、冬期の気象条件が厳しく、かつその変化が極めて激しいことが特徴となっています。とりわけ北海道は、このような積雪寒冷の過酷な条件だけでなく、広範囲に分布する泥炭性軟弱地盤、豊かな自然環境、広域分散型社会の形成など、我が国においても本州などとは異なる気象・地理・地形、地質条件を抱えています。

  加えて、地球温暖化による気象への影響が指摘され、我々が今まで経験したことのない異常気象の発生が各地で報告されるなど、国民生活に多大な影響を及ぼしつつあります。そのことは、積雪寒冷地域において社会基盤を取り巻くさらなる条件変化を意味することであり、今後に向けてはそれらを十分考慮した研究開発が求められるものと考えられます。

  このように社会のグローバル化の進展とともに、社会、経済、環境等様々な要素が激動してきている時代の中で、当研究所の業務活動もそれらに適切に対応しつつ、積雪寒冷地に立地する研究機関として、北海道をはじめ我が国ならびに積雪寒冷諸国に対して、研究及び技術開発の成果反映、活用を通して今後とも大きく貢献して参るとともに我が国の寒地土木技術の世界への発信基地としての役割を発揮していく所存ですので、関係各位の一層のご理解・ご支援をお願いいたします。