寒地土木研究所は現場密着型の技術開発、技術普及および地域における技術の向上等のため、道央、道南、道北、道東に支所を設置しています。各支所では研究開発の現地調査・試験の拡充と ともに、地域におけるニーズの把握や研究成果・普及、技術指導を実施しています。
「技術者交流フォーラム」はこれらの活動の一環として、地域において求められる技術開発に関する情報交換、産学官の技術者交流および連携等を図る目的で、開催しています。
今回は「後志観光とそれを支える道路インフラ」をテーマに、平成21年12月1日(火)グランドパーク小樽で開催し、産学官から約180名の参加を得ました。
基調講演として小樽商科大学海老名誠ビジネス創造センター長から「北海道観光 観光産業事業者の勘違い」、一般講演として北海道開発局小樽開発建設部倉内公嘉次長から「後志の道路の景観について」、寒地土木研究所地域景観ユニット松田泰明主任研究員から「北海道における道路の魅力向上と観光への貢献」、寒地土木研究所寒地交通チーム葛西聡上席研究員から「北海道らしい道路構造」、HRS(株)鈴木哲夫代表取締役社長から「ジオツーリズムと後志の道」をそれぞれ講演頂き、パネルディスカッションへと進みました。
パネルディスカッションは、小樽商科大学社会情報学科大津晶准教授をコーディネーターに「これからの後志観光とそれを支える道路インフラについて考える」というテーマで進められました。
道路インフラを整備する立場である小樽開発建設部倉内公嘉次長は「後志管内の道路は防災が課題。安全な道路を整備することが観光にも大事。また、一般国道393号赤井川道路が全面開通したことで、観光客の入込数が大きく増加した」と語りました。
北海道中央バス(株)牧野和夫代表取締役専務は「ニセコにはスキーをしなくても雪と戯れる観光客も訪れる。旅行者は日程を決めて動くので、冬場の自動車での移動で定時制を確保できる道路整備が必要」と観光業の立場から訴えました。
寒地土木研究所松田泰明主任研究員は、「黒松内の道の駅は非常に人気があるが、おもてなしの気持ちがハードに表れている。道の駅などもエリア観光の意識が大事であり、エリア内で役割分担をして、他の施設との連携を図る必要がある」とし、具体的事例をパワーポイントを使いながら説明しました。
小樽商科大学海老名誠教授は「海外では外国人が色んなところに行けるように、案内板などが良く整備されているし、観光スポットでは市民、街を挙げたおもてなしが染みこんでいる。小樽でも観光を市民で育て上げ、感謝の気持ちと笑顔でおもてなしができるように」とソフト面の重要性を語りました。
FMおたるパーソナリティの田口智子さんは「おもてなしの真の意味を考え、市民や住民グループが『観光のために何かを』という意識が大事。良好な景観形成はおもてなしを形にする仕事。どうすれば良くなるのかを考え、日々の仕事に生かして、道路を作って欲しい」とユーザの立場で話されました。
最後にコーディネーターが「今日のフォーラムのように、産学官から知恵を持ち寄ってやっていきましょう」とまとめ、パネルディスカッションを終了しました。
寒地土木研究所各支所では今後とも、各地域における産学官交流の場として技術者交流フォーラムを行っていく予定です。
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様々な意見を交換したパネルディスカッション 会場の様子
(寒地土木研究所 道央支所)