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イベント情報

 
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      寒地土木研究所 第23回技術者交流フォーラム in 小樽
       「新しい後志の地域づくりと公共空間整備」を開催しました


 技術者交流フォーラムは、寒地土木研究所が地域において求められる技術開発に関する情報交換、産学官の技術者交流及び連携等を図る目的で平成20年度から北海道各地で開催し、今回で23回目を迎えます。

 今回の技術者交流フォーラムでは、「新しい後志の地域づくりと公共空間整備」をテーマに社会資本整備と地域の新たな取り組みになどについて語り合うもので、平成27年8月25日(火)、小樽経済センターにおいて開催しました。地元企業、官公庁等から123名の参加がありました。

 講演に先立ち、主催者を代表して、寒地土木研究所審議役 七澤馨から開会の挨拶と研究所の紹介がありました。

 基調講演として、札幌国際大学教授の宮武清志氏から、「観光基盤づくりのために技術者ができること」と題してご講演をいただきました。
 観光対象と観光基盤ではビューポイントが重要な点であり、景観を見せるための工夫と整備が必要なこと。宿泊飲食施設は観光基盤でも観光対象でもあり、これら観光基盤をつなぐ役割としての交通ネットワークの交通結節点を工夫することで観光客の満足度を向上できること。安全性と快適性(沿道景観)は両立できる関係にあり道路付属物の整理、路肩余裕幅の確保は、安全性確保、景観向上、さらには自転車道としての利用価値もあること。景観は見た目だけではなく、視対象の背景・ストーリーを一般人にもこれらがわかるような説明が必要で、社会産業基盤のインフラは人間にこだわり、観察することが重要、観光は地域開発の総仕上げであり、北海道らしい住民に愛されかつ観光客にも楽しめる整備が理想であるとの提言がありました。

写真(1)・(2)
写真:フォーラムの様子 写真:宮武教授
フォーラムの様子
基調講演を行う宮武教授

 講演では、国土交通省観光庁 観光カリスマの小川原格氏から「北海道は産業遺産の宝庫である!」と題して、NPO法人炭鉱(やま)の記憶推進事業団での事業を中心に説明をいただき、空知・小樽・室蘭地域の道央「炭鉄港」が新しい観光、産業遺産観光として注目されていること。この地域は人口減少が著しく、観光では日帰り観光が多い現状にあり、「炭鉄港」の事業は、産炭地である空知、積出港である小樽、製鉄業の室蘭を結びつける広域観光として運動を始めたこと。明治初頭にはこの地域で近代化投資が多くなされ、産業遺産が凝縮している。このような歴史を再度探検することで新たな利用価値のある観光テーマを創出する必要がある。観光は社会的状況に応じた波風があるが、このような影響の少ない腰を据えた観光を開発することを将来の産業遺産を構築している技術者たちも理解していく必要があることなどのお話をいただきました。

 次に、一般社団法人余市観光協会マネージャーの伊藤二朗氏から「マッサン後の広域観光振興に向けて」と題し、マッサン効果では、企業の本州本社は潤ったが、利益を地方に還流する仕組み立てができなかった。これらを地域に還流し、周辺整備を行うことが当該企業への利益にもつながること。地域観光については、エリアの風土、魅力を残した上でよりよいものにしていくソフトとハード両面でのグランドデザインがなされることが成功の鍵であること。Civil engineeringというのは技術だけでなく優れたグランドデザインの創造もその役目であるとのお話がありました。

写真(3)・(4)
写真:小川原氏 写真:伊藤氏
講演を行う小川原氏
講演を行う伊藤氏

 講演の最後に、寒地土木研究所地域景観ユニット総括主任研究員 松田泰明から「地域観光の魅力に影響する公共空間の課題と今後に向けて」と題し、地域振興に向けて、国・北海道などで世界水準の競争力を持つ魅力的な観光地づくりが示されていること。しかし、土木技術で観光に貢献できる魅力的な公共空間整備がなかなか進まない現状にあること。魅力的な公共空間の整備は観光のためだけではなく、住民や地域を幸せにする効果がある。北海道においても世界レベルでの観光資源がありこれらを生かしたインフラ整備を行っていく必要があり、このための研究、技術者育成も必要との提言がありました。

 講演後「社会資本整備と地域の新たな取り組みを語る」と題し、宮武教授をコーディネーターとして各講演者のみなさんでパネルディスカッションを行い、各パネリストによる相互の意見交換を行いました。終わりに宮武教授から、もともと観光は国の光を見せる、それが最高のもてなしといわれている。産業遺産、公共空間は技術の成果であり北海道の開発そのものでもある。これらを大切にして次の世代に伝える、さらには自分の作品を残すなどの気持ちで住む人の誇りとなし観光資源ともなる。とのご発言で討論を終えました。

写真(5)・(6)
写真:松田総括主任研究員 写真:パネルディスカッション
講演を行う松田総括主任研究員
パネルディスカッションの様子

 最後に、共催者を代表して高橋渡小樽開発建設部長から閉会の挨拶として、講師の方に対する感謝と講評、参加者に対するお礼を申し上げました。

 寒地土木研究所では、今後も研究成果の普及や技術指導等を通じた地域貢献を念頭に皆様と積極的に情報交換や連携等を行い、幅広い関係者との交流ができるようなフォーラムを開催していきたいと考えております。

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