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イベント情報

 
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      第25回 技術者交流フォーラム in 釧路を開催しました

 技術者交流フォーラムは寒地土木研究所が地域で求められている技術開発に関する情報交換、産学官の技術者の交流および連携を図る目的で平成20年度から北海道各地で開催しています。

 25回目となる今回は、道東道(北海道横断自動車道)白糠IC開通後における道づくりや釧根地域の地域振興施策など、地域インフラとしての今後の展望を探るべく「道東道延伸と地域づくり」をテーマに、平成27年12月2日(水)、釧路市内の釧路プリンスホテルで開催し、170名の参加者がありました。

 講演に先立ち、寒地土木研究所審議役の七澤馨より開会の挨拶と研究所の紹介が行われ、フォーラムが開始されました。

 基調講演では、釧路公立大学地域経済研究センター長の佐野修久教授から「人口減少と地域創生~道東道延伸を見据えて~」と題してご講演をいただきました。 釧根圏は、人口減少と地域経済の衰退を繰り返す「衰退のスパイラル」に直面している。人口減少は親になる世代の人口減少が一番の要因になっていると分析。道東道延伸と釧根圏の経済については、時間距離の短縮により、釧根地域内の物やサービスを他地域の人に買ってもらうきっかけになる一方、釧根地域外の物やサービスを地域内の人が買ってしまう「衰退のスパイラルを加速」させるきっかけにもなりうるとの危険性も指摘され、後者にしないためにはニーズにマッチした魅力ある商品づくりやサービスの開発、魅力あるまちづくりが必要であり、そのPR活動の徹底、プラスの効果を地域内で享受(循環)できる仕組み「発展のスパイラル」を構築することが重要であると提言されました。また、道内、道外から来ている学生達が釧根地域は好きだが「ここで働きたい」と思える職場が少ない、釧根地域の良さを知らずに出て行く学生も多くいることも事実であり、魅力ある職場をどう作っていくかがポイントになると述べられました。

写真(1)・(2)
写真:フォーラムの様子 写真:佐野氏
フォーラムの様子
基調講演を行う佐野氏

 鶴雅グループの大西希取締役の講演では、「阿寒IC開通への期待と地域観光の将来構想」と題し、これからの地域観光は点ではなく、広域で連携することが要であり、その取り組みとして「広域ルートのブランド化」、「ミシュラン三ツ星街道」、「Wi-Fi整備」など魅力的な戦略が多数紹介されました。また、自然観光だけでは飽きてしまうため、中核都市釧路の活用を挙げられました。釧路の街は「男くさい港町」のイメージがある。旅行の決定権は女性や娘さんが多く持っているので、「ロマンチックな釧路」をPRできればとの将来構想を述べられ、道東道延伸により「釧路方面に行ってみたい」と思った人たちに、「高速道路があるから便利ですよ」という流れになるという期待を込めた思いを語られました。

 阿寒丹頂の里プロジェクト委員会会長で阿寒町商工会の吉田守人会長の講演では、「阿寒地域の活性化と官民連携」と題し、今年度末に予定されている阿寒ICの開通に向けた取り組みを紹介されました。阿寒IC開通により、釧根地域の玄関口となる阿寒町では観光客が滞在しやすくなるとして、①道の駅の主要機能を「赤いベレー」に移転、②「阿寒国際ツルセンター」、「釧路湿原美術館」、「赤いベレー」、「野営場」、現「道の駅」等、レストラン、温泉、宿泊施設、ガイド等を集約配置し、北海道で一番広い道の駅のエリアとなることで既存施設を含めた機能強化、充実を一層図っていく、③魅力ある物産や休憩したくなるような環境整備、の3つの施策「道の駅3本柱」を公表されました。また、阿寒ICが開通した際には、花いっぱいで釧根地域に来るお客様をお迎えしたいとの気持ちを述べられました。

写真(3)~(5)
写真:大西希氏 写真:吉田守人氏 写真:高橋尚人総括主任研究員
講演を行う大西氏
講演を行う吉田氏
講演を行う高橋総括主任研究員

 最後に、当所寒地交通チームの高橋尚人総括主任研究員から、「地域医療と道路~救急搬送時間と転帰状況~」と題して、地域医療という視点からの道東道の役割について説明がありました。消防や救急医療機関から提供いただいた搬送データ、転帰(病気や怪我の治療の経過および結果)データを症例別にまとめた結果を紹介し、救急搬送時間が長くなることで退院率などが低下していることから、地域の医療の面からも高速道路の役割は大きいと述べられました。

 寒地土木研究所では、研究成果の普及や技術者の情報交換や交流の場として、これからも技術者交流フォーラムを全道各地で開催していきたいと考えております。

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