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イベント情報

 
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    第34回 技術者交流フォーラム in 旭川
    「ここまで進んだドローンの活用 そしてこれから・・・」を開催しました

 1.はじめに
 技術者交流フォーラム事業は、地域において求められる技術開発や北海道総合開発計画の推進に資する技術開発などに関する情報交換、産学官の技術者の交流及び連携を図る目的として、平成20年度から全道各地で開催しており、今回で34回目となりました。
 今回は、「ここまで進んだドローンの活用 そしてこれから・・・」をテーマとし、ドローンを活かした調査研究の取り組みや、土木建設、農業分野などでのドローンの活用について紹介するもので、平成31年1月22日、旭川トーヨーホテルにて国土交通省北海道開発局旭川開発建設部との共同で開催し、地元企業、官公庁などから147名の参加者がありました。
 

写真1
写真:会場の様子
フォーラム会場の様子

 2.講演概要
 2.1基調講演
 (有)レイブプロジェクト代表取締役の請川博一氏に「ドローンの活用で変化する未来」と題して講演いただきました。請川氏は、旭川を拠点に国内外でテレビ空撮撮影やCMなどで多くの実績を持つドローンパイロットの第一線で活躍されている一方、パイロットの育成にも取り組まれてます。
 最高のパフォーマンスを生み出すためには事前の準備が大事であり、機体の点検、撮影場所の状況、天気、風の把握の重要性や、ドローン性能の進化により自動オートパイロットでの操縦が可能だが、100%でなくドローン落下などの事故を防ぐためマニュアルで機体の回収ができる操縦技術が必要であるなどのお話がありました。
 また、海外ロケでは撮影許可を取りドローンを飛ばしても、一般市民の通報による警察対応で撮影がなかなか進まなかったエピソードなど、日本との社会情勢の違いを交え紹介されました。
 北海道のフィールドは、宝の山でありドローンスクールなど教育の継続と操縦技術が備わり、プラットホームの技術進歩と測量の技術力向上がコアしてゆけば、国に素晴らしい貢献ができる、とのお話がありました。

写真2
写真:レイブプロジェクト 請川代表
レイブプロジェクト 請川代表

 2.2講演
 次に、防災地質チームの山崎秀策研究員より、「ドローンを活用した岩盤斜面の調査研究事例について」と題して、最初に代表的な岩盤崩落事例の説明から研究の目的、手法、展開について説明があり、道路斜面点検への活用としてUAV画像に対する背景差分法の適用について紹介し、次に岩盤斜面の高解像度解析における写真測量技術を用いた斜面の差分解析について岩盤斜面の崩壊事例を交え紹介しました。また、斜面災害調査への活用では、斜面災害におけるドローン調査事例と地形モデル解析による地質構造計測の研究について報告しました。最後に、事後的に現場状況の再現や解析に必要となる写真測量技術の活用について多視点が大事であるなど有効な写真撮影方法についての紹介を行いました。

 
写真3
写真:防災地質チーム 山崎研究員
防災地質チーム 山崎研究員 

 続いて北海道ドローン協会の藤原竜也事務局長より、「建設分野におけるドローン活用の現在」と題し、北海道産官学研究フォーラムの設立から空間情報基盤構築の歴史と、地理空間情報がより広い分野で活用されるための取組についての紹介や、ドローンの利活用の現状と将来の動向、さらに未来投資戦略の工程表が紹介されました。土木分野におけるドローンの活用事例として、ドローンでの写真測量やUAVレーザー計測データを基に3Dモデルを作成活用した工事についての紹介、ドローンの運行管理システムの開発が進められている話題、ドローン含めた地理空間情報のオープンデータを共有化しオープンなシステムで空間インフラを作る仕組みの推進の必要性についてご講演をいただきました。

写真4
写真:北海道ドローン協会 藤原事務局長
北海道ドローン協会 藤原事務局長

 最後に、京都大学東南アジア地域研究研究所連携准教授の渡辺一生氏より、「農業分野におけるドローン活用の現在」と題し、農業・農村地域におけるドローン活用についてご講演がありました。農業農村地域が抱える過疎・高齢化や、担い手不足等の課題に対し、ドローンの機動力による作業の省力化、俯瞰的な視点を活かした作物の生育状況や獣害調査など、リモートセンシングの農業での利用について事例が紹介されました。みかん農園での担い手不足解消に導入が進んでいる農薬散布ドローンの紹介、農業のIoT化を進める入り口として高校農業科でのドローンを使った授業など次世代の育成の取組の紹介、ドローンを使った空撮により、地元の人が空からの視点によって新たな観光資源を発見し、興味や関心を引く情報提供ツールになるとの話をいただきました。精密農業の実証実験での活用、リモートセーシング技術による農産物モニタリングの紹介、田んぼに侵入する害獣モニタリングにより害獣の位置が時系列的に線で把握することが可能となり耕作放棄の原因となる被害対策について、データに基づく検討への利用など紹介されました。そのほか、インフラ点検や救難救助・夜間見回りなどして人間が簡単に近づくことができない場所をドローンで捜索するコンペなどの事例紹介がありました。 

写真5
写真:京都大学 渡辺准教授
京都大学 渡辺准教授

 3.おわりに
 参加者へのアンケート結果では、「最先端のドローン活用が良くわかった」などの感想をいただき、講演内容について、「参考になった」「大変参考になった」の回答が100%となりました。また、休憩時間には展示ブースにて、請川氏によるドローン操縦などのアドバイスがあり、多くの参加者が話に聞き入っていました。
 寒地土木研究所では、研究成果の普及や技術者の情報交換や交流の場として、これからも技術者交流フォーラム事業を全道各地で開催していきたいと考えております。  


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