第17回技術者交流フォーラムin釧路を開催しました
寒地土木研究所 第17回技術者交流フォーラムin釧路を開催しました

技術者交流フォーラムは、寒地土木研究所が、地域において求められる技術開発に関する情報交換、産学官の技術者の交流及び連携等を図る目的で、平成20年度から北海道各地で開催しています。

17回目となる今回の技術者交流フォーラムは、「道東地域における地震津波災害とその対応」をテーマに平成25年9月19日(木)に釧路市内の釧路プリンスホテルで開催され、地元企業関係者や官公庁等から222名の参加がありました。

また、フォーラム会場の後方に設置した技術展示会場では、寒地土木研究所で今までに開発した技術や今回の講演に関連した内容を紹介するパネルなどが展示され、多くの参加者の興味を引いていました。

講演に先立ち、寒地土木研究所 柳屋所長から、研究所の沿革、最近の取組等の紹介を兼ねた開会の挨拶がありました。

最初に、北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センター長の谷岡勇市郎教授より、「道東地域の地震津波災害に備えて」と題してご講演いただきました。過去の道東地域の津波や東日本大震災クラスの巨大地震による津波の即時津波浸水予測研究について、釧路市をモデルに津波遡上計算と津波波形をデータベース化することで、地震発生から15分程度で津波浸水域と高さを予測できる目途が立ってきたことなど、最新の研究成果についてのお話がありました。

講演を行う 谷岡 勇市郎 教授

フォーラムの様子

次に、東京大学地震研究所 巨大地震津波被害予測研究センター長の堀宗朗教授より、「『京コンピュータ』を使った地震津波複合災害のシミュレーション」と題してご講演いただきました。京コンピュータで解析した津波と構造物のシミュレーションが紹介され、減災に向けて「どのような被害が起こるか知る必要があり、先端シミュレーションの活用が期待される」とし、今後さらにシミュレーション開発が必要であるなど大変貴重なお話がありました。

報告として、最初に北海道開発局 釧路開発建設部 釧路港湾事務所の櫻井博所長より、「東日本大震災における厚岸漁港と今後の漁港防災対策」と題して、厚岸漁港が東日本大震災の津波によって被災した状況の説明と厚岸漁港への津波襲来状況を津波シミュレーションにより検証した結果の紹介や現在進めている防災・減災対策について報告がありました。

報告を行う 櫻井 博 氏

講演を行う 堀 宗朗 教授

次に、釧路市総務部の佐々木信裕防災危機管理監より、「釧路市津波避難計画と津波ハザードマップ」と題して、釧路市の過去130年間の防災記録の中で平成23年 東北地方太平洋沖地震の津波が最大の津波であったこと、また、津波避難計画においては地域特性を踏まえた津波避難シミュレーションの実施や津波予報と連動したハザードマップの作成などの取組について報告がありました。

最後に、「土木学会地震工学委員会水循環ネットワークの釧路地域を対象としたWGの検討報告」と題して、同ワーキングループのメンバーである室蘭工業大学大学院工学研究科の中津川誠教授から、フリーソフトウェア(iRIC)による津波浸水想定の紹介と方向性に関して、平成23年 東北地方太平洋沖地震の津波浸水実績とiRIC計算結果の比較を行うことで整合確認ができ、今後簡易な手段により、更に様々な条件下での想定に活用可能とすることが報告されました。寒地土木研究所寒地河川チームの伊藤丹上席研究員からは、河川の津波遡上対策技術の紹介と構造物(河川樋門)への津波影響解析技術について、漂流氷板の挙動解析を含めた紹介がありました。

報告を行う 佐々木 信裕 氏

報告を行う 中津川 誠 教授

技術紹介を行う 伊藤 丹 上席研究員

寒地土木研究所は今後も継続して地域において求められる技術開発に関する情報交換、産学官の技術者及び研究者の連携・交流を図る場などとして、技術者交流フォーラムを開催していきたいと考えております。 最後に、御講演者並びに本フォーラムの開催にあたり、ご協力いただきました関係各位にお礼申し上げます。