研究所について
所長からのご挨拶
国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所は、内務省北海道庁土木部試験室として昭和12年(1937年)に発足して以来、積雪寒冷地における土木技術に関する我が国唯一の研究機関として、北海道を始め、全国の積雪寒冷地を見据えながら、より多くの地域、関係機関に成果が活用されるよう研究開発に取り組んでいます。
平成13年、独立行政法人北海道開発土木研究所へ移行後、平成18年には独立行政法人土木研究所と統合し、さらに平成27年、研究開発成果の最大化を目指す国立研究開発法人となりました。
土木研究所の研究活動は国土交通大臣及び農林水産大臣から指示された中長期目標を達成するため、中長期計画を策定し、それに基づいて実施されます。
令和4年4月から、今後6年間の研究活動の方向を定める第5期中長期計画期間がスタートしました。
当研究所においては、本中長期目標の下、当所の役割や当所を取り巻く環境の変化を踏まえ、将来も見据えつつ社会的要請の高い課題に重点的・集中的に対応するものとし、以下の(1)~(3)に示す研究開発を推進していきます。
- (1)自然災害からいのちと暮らしを守る国土づくり
- (2)スマートで持続可能な社会資本の管理
- (3)活力ある魅力的な地域・生活
具体的には、2050 年カーボンニュートラルに向けた 2030 年度の削減目標や生産年齢人口減少等の社会情勢を踏まえて、本中長期目標期間において、以下の研究開発に取り組んでいます。
(1)「自然災害からいのちと暮らしを守る国土づくりへの貢献」
平成28年8月の北海道豪雨や平成30年9月の北海道胆振東部地震など、水災害の激甚化に対する流域治水の推進技術の開発、大規模地震に対するインフラ施設の機能確保技術の開発、極端化する雪氷災害に対応する防災・減災技術の開発、等
(2)「スマートで持続可能な社会資本の管理への貢献」
気候変動下における継続的な流域及び河道の監視・管理技術の開発、積雪寒冷環境下のインフラの効率的な維持管理技術の開発、施工・管理分野の生産性向上に関する研究開発、等
(3)「活力ある魅力的な地域・生活への貢献」
地域社会を支える冬期道路交通サービスの提供に関する研究開発、農業の生産効率化や強靱化・食糧自給率向上に資する積雪寒冷地の農業生産基盤の整備・保全管理技術の開発、水産資源の生産力向上に資する寒冷海域・水域の水産基盤や自然環境・生態系の整備・保全に関する研究開発、等
当研究所では、河川・道路・港湾・農業・水産など多岐にわたる寒地土木技術の研究開発を進め、我が国の発展と安全安心の確保に引き続き寄与して参ります。また、研究開発成果の普及については、北海道をはじめとした国内の積雪寒冷地ならびに積雪寒冷諸国に対しても積極的に行い、我が国の寒地土木技術の世界への発信基地として、その役割を発揮していく所存です。
当所の活動に対し、関係各位の一層のご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。