土研のひと(倉橋上席研究員の場合)
所属
寒地基礎技術研究グループ
防災地質チーム

倉橋 上席研究員

(1993年採用)

業務内容

防災地質チームは寒地における地質に関する研究並びに土木技術の開発及び指導を行っています。
防災地質チームでは、道路の基盤となる斜面、トンネル等に関する研究に携わっています。特に融雪が道路沿いの斜面の安定性に与える影響や、重金属を含む建設発生土のリサイクル・浄化技術に関する研究等に取り組んでいます。
実験室の実験だけでなく、建設現場をフィールドとして野外で調査や計測をすることも非常に多いです。これらの研究をチームの研究員で担当しています。
チームの構成員は地質職と土木職が半々ぐらいで、地質職がいることが特徴です。お互いの得意分野を補完し合いながら研究に取り組んでいます。

防災地質チームの研究員
道路斜面での原位置試験

土研の魅力、やりがい

地質はダム、トンネル、橋梁等の基盤になっています。また、コンクリートや盛土の材料にも用いられていて、地質がインフラを支えていると言っても過言ではありません。
土木地質に関するさまざまな課題についての研究・開発を行うことで、技術の体系化や標準化、国土交通省所管の事業を中心とした現場への技術指導、技術普及に役立っています。
また、地震や豪雨等の災害があった際には、昼夜を問わず災害現場へ出動します。災害の原因を調査・分析し、応急復旧の助言を行います。

構造物が形となる過程や災害復旧を目の当たりにすると、地質調査が世の中に役立っていることを実感できます。
理学部を卒業した地質の学生には土木の世界に馴染みがないと思いますが、たいへんやりがいのある仕事です。
北海道胆振東部地震の斜面災害現場での調査

休日の過ごし方

仕事帰りや休日にはスポーツクラブで汗を流しています。 私にとってのONとOFFを切り替えるスイッチです。筋トレ等で心身ともに追い込むことで、無心になれます。
災害や建設現場では山歩きも多いことから、日頃から体調の維持に役立っています。ダイエットにも効果あります。
出張等で生活が不規則となりがちですが、生活のルーティーンを維持することが大切だと思います。

ある一日のスケジュール

  • 08:30
    出社
  • チームの打合せ

    月曜日は、チームの全体打合せから始まります。
    スケジュールの確認や連絡事項を伝達します。当日、テレワークの研究員はweb会議で参加します。
    研究の進め方についてチーム全員で話し合いをしたり、新規研究課題について相談を受けることもあります。
    その後、それぞれ研究の進捗状況について担当者と打合せを行います。進め方について助言を与えるほか、論文の添削を行うこともあります。
    出張届けなどの決裁事務を行ったり、メールでの問い合わせに返信をします。出張時や在宅勤務でもパソコンは、持ち歩くように心がけており、常に連絡が取れるようにしています。

    出張明けに出勤した際には机の上に書類が山積みです。
    チームをマネジメントする立場にもあるため研究員たちと良くコミニュケーションを図り、風通しの良い職場環境を創っています。
    ビデオ会議を用いたチーム打合せ
  • 12:00

    昼食
  • 行政への技術指導

    北海道開発局や地方自治体からダムやトンネルの基礎岩盤、斜面災害にして技術相談を受けることがあります。
    調査方針や対策について助言を与える技術指導を行います。机上で相談することもありますが、現場で地質を観察しなければ得られない情報も多くあるため、出張も多いです。 

    例えば、地すべりは地山が地表と一体となって重力移動する現象です。地すべりの痕跡を見つけ出すために、現地で変状を観察、陥没や亀裂等の地形調査、ボーリングコアにおける条線の有無や破砕状況等の地質観察を行います。木の根の曲がりや傾倒等も変状として観察することもあります。
    地質調査を終えた後は、北海道開発局等の職員と打合せを行い、今後の地質調査や対策の方針について助言します。
    ダム貯水池地すべりの
    ボーリングコア観察
  • 17:15

    退社