土研のひと(川村主任研究員の場合)
所属
寒地水圏研究グループ
寒地河川チーム

川村 主任研究員

(2013年採用)

業務内容

寒地河川チームでは、河川災害による被害の軽減を目的として、堤防機能の強化や河道の効果的な維持管理手法に関する研究を行っています。
例えば、近年頻発している河川災害に対して、被災要因を明らかにするための調査・研究を行っています。その成果は、北海道開発局が実施する対策等に繁栄されます。
また、河川防災や河道の維持管理において、河川の地形変化を予測することは重要です。河道内の流れの変化と土砂移動の関係を調べて、河川の地形変化を予測する技術の開発を行っています。

堤防決壊などの災害発生時の調査
堤防侵食対策を検討する開発局の
ワーキンググループで技術指導
河道内の流れの変化と河岸侵食の関係を調べるための水理実験

土木研究所の魅力

土木研究所は、研究者がこれまでに培ってきた専門的知識をより深め、それを社会資本の整備に生かせる場です。我々研究者は社会的に課題となっている解決に向けて、自らが発案し研究を行うと共に、河川を管理する行政だけでなく大学等の研究機関や民間企業の研究者・技術者と連携しながら研究を進めます。研究成果の反映を通じて、様々な形で社会へ貢献することができます。
技術の普及
(国内外の研究機関と連携して開催した講習会)
北海道開発局や大学と連携した現地調査
(自然再生を目的としたダムからのフラッシュ放流の様子)
北海道開発局と連携して堤防の侵食対策を検討
(実物大の実験実施に向けた予備的な模型実験の様子)

休日の過ごし方

長期の休日は家族で旅行に行くことが多いです。行先はゆっくりできる所を選びます。
北海道は美味しいものと温泉がいっぱい。季節折々の楽しみがあります。
子供はスキー、親は温泉

ある一日のスケジュール

  • 08:30
    出社
  • 水理実験

    研究を進める上で、水理実験も活発に行っています。
    この日は、幅の広い水路を使って河岸侵食に関する実験を実施しました。実際の河川には河畔林が繁茂していることも多く、従来はこうした植生が河岸侵食を抑制すると考えられていました。しかし、近年、樹林域であっても河岸侵食が大規模に進行して堤防例が多くみられるようになりました。当実験は、河岸侵食に対する植生の影響を観測することを目的としています。実験で明らかになった機構をモデル化し、河岸侵食の予測精度を向上させることを目指しています。
    なお、この実験は北海道大学と共同で実施。お互いに所有する実験施設や観測機器によって効率的に研究を遂行することができます。

    河岸侵食に関する水理実験
    河岸侵食による堤防被災
  • 12:00

    昼食
  • 打合せ等

    北海道開発局等の行政機関からの技術相談に応じて、技術的な指導や提案を行うことも研究所の重要な役割のひとつ。
    この日は、ある河川での掘削改修後の河道の変化に関する技術相談があり、河道変化の予測計算に関して助言をしています。こういった打合わせでは、先方から説明していただく現地での調査や検討内容が興味深くて逆に勉強させていただくこともあります。
    他の研究機関と共同研究を進める上では、綿密な打合わせが必要となります。北見工大とオンラインで研究の打合わせを行いました。

    また、この日は、土木学会関連の委員会の会議にオンラインで参加しました。寒地河川チームの研究は、国内外の学術的な学会を通じて論文として発表することでも広く成果を普及しています。関連する分野の学会がより発展するように協力することも重要な役割になります。
    オンラインでの研究打合わせ
  • 17:15

    退社